乙女心のパンク・ロック

僕の通っていた中学校の保健室に、1枚のサイン色紙が飾ってあった。
筆圧を全く掛けずに書かれた、ヨレヨレの汚い字のサイン。
サインの名前は「甲本ヒロト」。
僕と同じ岡山県出身で、母校も小学校から高校まで同じ、しかも実家も近所。
時代は違えど、ほぼ同じ環境で18歳までを過ごした、僕にとって遠くて一番身近な憧れのロックンローラー、甲本ヒロト。
2年ほど前にバイトしてた西新宿のCD・DVD屋に、ふと現れたヒロトとマーシー。
接客をするも、緊張しすぎてロクに話も出来ず、精一杯の勇気を出して会計時に握手を求めると、笑顔で応じてくれた。ジョー・ストラマーのDVDをプレゼントすると「わー、やったあ。ありがとうございます。」と無邪気に喜んで帰った。
その後、僕が店を辞めてからヒロトは再び店を訪れたらしく、店の偉いさんが気を利かせてくれて僕宛てにサインを貰ってくれた。筆圧を全く掛けずに書かれた、ヨレヨレの汚い字で「植松さんへ ザ・クロマニヨンズ 甲本ヒロト」。
そして半年ほど前、事務所の先輩のラジオにクロマニヨンズが来るという事で、先輩の好意で見学に行かせてもらった。直立不動、ド緊張で番組を見学後、スキあらば、接客をした事が…とか、出身が…とか話かけたかったけど、僕の発した言葉は「お疲れさまでした!」のみ。
こんなに奇跡的な接点があるのに、マトモに喋れない。
いつか、いつの日か、緊張に負けず、話をしたい。そして、こう言いたい。
「好きです!先輩!」
わしゃ女子高生か。
昔お世話になった漫才作家のOさん。
ローリングストーンズのマニアで、辛口な音楽ウンチクをよく聞かせてくれたOさんがこんな話をしてくれた。
「日本のバンドは歴史とかバックボーンを理解せずにロックをやってんのが多いねん。ブルーハーツはちゃんと音楽聴いてると思うわ。TRAIN-TRAINの歌詞で”栄光に向かって走る あの列車に乗って行こう”いうのがあるやろ。列車、汽車っちゅうのは奴隷やら差別扱いを受けてた黒人にとって希望の象徴やねん。あいつらはブルースを理解してるんちゃうか」
1996年に再結成、初来日をしたSEX PISTOLSの前座を、BAY CITY ROLLERSならぬ、BAY ‘SHIT’Y ROLLERSに扮してやったハイロウズの映像を見て、なんとなくOさんの言うてた事を思い出した。
SEX PISTOLS来日公演前座
SOTOデナ / BAY ‘SHIT’Y ROLLERS (THE HIGH-LOWS)

この続きはウェルカム・ピストルズ / BAY ‘SHIT’Y ROLLERS (THE HIGH-LOWS)

post: 2007年9月10日 ( BLOG )

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