フェス松哲平 in 朝霧JAM

一年で一番幸せな時間が終わりました。
自慢のレンタカーに貼り付けた、へいへいベイベ号の紙。そこには『Road to 朝霧』のはずが『Load to 朝霧』の文字。高卒バカ丸出しの凡ミスから始まった今年の朝霧JAM。
中央道の渋滞に巻き込まれ、 開演ギリギリに到着した一年振りの朝霧高原は、分厚い雲に覆われた曇天模様。去年の存在感が嘘のように、富士山の姿が見当たらない程。涼しいというより肌寒い。しかし、気持ちがいい!
テント設営を済ませ乾杯をした後、いきなりナイスなイベントに遭遇。
餅つきやってる!
ワイワイ言いながら混ぜてもらい、へっぴり腰で餅をついてると、後ろから「どけ。もやしっ子!」の声。人の垣根の中から現れたのは餅崎Uさん(仮名・30歳)。今回のテント準備から送迎まで八面六臂の大活躍だった餅崎Uさん(仮名・30歳)は、実家の福岡で毎年餅つきをやってたらしく、杵さばきはお手のもの。木根尚登もビックリの力強い杵プレイに、オーディエンスからは餅崎コールが。つきたてホヤホヤの餅の美味さは、歓喜の粘りと共に素晴らしいオープニング・アクトとなってくれました。
場内の出店をブラブラ見て歩き、フェス恒例の『ライブそっちのけ、着くやいなや昼寝』をしようと、ムーンステージ後方にシートを敷いて眠る。気持ち良さと寒気を感じながらゴロゴロしてると、突然めちゃくちゃカッコイイライブが始まった。
The Pnuma Trio。ヌマ・トリオって読むみたいです。キーボード、ベース、ドラムの3ピース。踊らすジャムバンドは、夕暮れのムーンステージを凄まじく盛り上げてました。ドラムがかっけえ!
続いてレインボーステージに向かいハナレグミ。フェスで今まで見た時はいつもハーモニカとカホンの3人編成のハナレグミ。それが今回は大所帯、6人編成。期待感が増したものの…恐らく朝霧JAM仕様で用意したであろうフィッシュマンズのカバー「WALKING IN THE RHYTHM」が長い長い。ジャムって20分くらいやったんかな。15分ほど押しで始まった中だったので、持ち時間の大半を費やしてやらんでも、という感じ。
BOYS NOIZE、卓球、BAYSをチラ見しながら、寒さが一段と増してきたのでテントに戻り股引(KING of 防寒着)を着用し、クリームシチューで暖をとる。優しい味。
そしてお待ちかね、THE CORNELIUS GROUP。サマソニに行けず、ライジングでも見逃した今回1番見たかったアクト。噂で視覚効果が凄い!と聞いてたので照明がキレイなのかと思い、全身でライティングを感じようと、出来るだけ前に進む。が、フタを開けてみれば視覚は視覚でも照明でなく映像のことで、かえって見づらかった…。
しかしまさにショウ!SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOWと名付けられた映像と音楽のコラボ。サウンドチェック時にステージには白い幕が張られ、ウインドチャイムの音に合わせて幕がカラーバーの様に黄、白、赤、青と色付く。フランク・シナトラの「Fly Me to the Moon」が流れ始め、ウキウキ感が上がる。曲が終わり、キーボードが鳴ると黄、ギターなら白、ドラムが赤でベースが青。完全に音とリンクして、カラーバーが動く。そして白幕に「HELLO」の文字が映し出され、幕が上がる。黄色の場所に堀江博久、赤にあらきゆうこ、青に清水ひろたか、そして白に小山田圭吾。こんなにテンション上がるオープニング見た事ねえ!ステージの後ろのスクリーンには終始映像が映され、全てが演奏とリンクしてる。特に「Fit Song」のまさに映像とフィットした感じと、「Gum」のCD再現具合は素晴らしくて、僕の後ろにいた人は「スゲーよ!小山田スゲーよ!神だよ!俺ずっと鳥肌立ってるよ!俺を触っておくれよ!鳥だよ!」と異常興奮してました。あっという間の80分。素晴らしいショウを見れました。
                      
初日のライブは全て終わり。相変わらず曇っていて富士山は見えず、おまけに新月で空は真っ暗。冷え込み方もハンパじゃない。そこで登場するのが、今回のメイン・アクト、『フェス松特製チャイ』である。朝霧高原の日本一美味い牛乳と、東急デパ地下で仕込んだチャイ用茶葉でこしらえた、母ちゃんのお腹の中より温かいホット・チャイ!初挑戦ながら、いい湯気出してるチャイを一口飲むとその味は…薄茶色のホットミルク!ちがう!俺が求めてんのはこんなモンじゃねえ!そこから数える事6杯目、同行者のみなさんのお腹もちゃっぷんちゃっぷんになってきた頃、ついに完成した『真・フェス松特製チャイ』。カルダモン&ペッパーのスパイス香るステキなホッチャイは、冷えた体を爪先まで温め、口から幸せの白い吐息に生まれ変わり、朝霧の夜空へと消えていきました。
妙にポエミーな表現が生まれたところで、明日の早起きに備え就寝。
翌朝5時過ぎ。
富士の御来光を見る為、早起き。天気予報では晴れ。しかし昨日ほとんど曇ってた空を考えると、キレイな御来光とはいかないんじゃ、と思いながらテントを出ると…晴れちょるよー!グッジョブ、空!まだまだ冷え込みは厳しい中、レインボーとムーンのステージ間にある御来光スポットに移動。既にたくさんの人が太陽を待ち望んでる。
待つ事1時間。徐々に辺りの山々が太陽光を浴び始める。ゆっくりと光が降りて来て僕らの目線まで光が降りてくると同時に、富士山の右肩から御来光。
          
キレイ過ぎる。辺りからは歓声と拍手。ナイス・ピンポイント晴れ。あけましておめでとう!
奇しくも昨年に引き続き富士の初冠雪が朝霧初日と重なる演出付き。太陽が出た瞬間から、寒さが消え失せて暖かくなる。自然とみんなテンションが上がって芝生を転げ回る。朝霧牛乳で乾杯、ボリューミーなサイコロ・ステーキ定食でグッド・モーニング。ええ朝や。そして場内にいた仔牛の”モウ・ストラマー(多分)”と友情を育む。

いいミルクを頼んだぜ。
朝の散歩がてら、今年から新設されたキャンプサイト「CARNIVAL STAR」を見に行く。最奥にあるこの場所は、評判通りベスト富士ビュー!地面も平たくてテントの寝心地も良さそう。荷物をここまで運ぶのは大変な作業やと思うけど、確かに良い場所や。
レインボーステージに戻り富士山が見守る中、ラジオ体操。そして、朝霧牛乳の無料配布”牛乳モッシュ”。かなり数が限られてる為、ここで牛乳をゲットした人は、1年間ミルクのようにきめ細かいお肌で過ごせるという、スキンケアに敏感な女性にはたまらない伝説が僕の頭の中にコッソリあります。昨年に引き続き、見事牛乳を手に入れた僕は今年もミルキースキンを皆さんにお見せできるでしょう。
地元、浅間大社の太鼓を見て、本日一発目A HUNDRED BIRDS ORCHESTRAを見る。自然と体が動き出す、気持ちのいいライブ。楽しげなステージの中で抜群の存在感を出していたのは、フルート奏者のかわいい女の子。一人だけセクシー過ぎる!デニムのホットパンツに網タイツの出で立ちが、恐らく本人の予期せぬ存在感を出してました。視線独り占め。興奮のグッド・モーニングをありがとう。途中から睡魔が襲って来たのでテントに戻り仮眠。起きたらBettye LaVetteを見逃してた。やってもうた。しかしフェスと人生に後悔の2文字を残さない僕は気持ちを切り替えて中納良恵を見に行く。
EGO-WRAPPIN’のボーカルで、ソロアルバムを出したばかりの中納良恵。これが素晴らしいライブ!真昼の朝霧に響く、よっちゃんのキレイな歌声。CORNELIUSに引き続きギター清水ひろたか&ドラムあらきゆうこ、そしてベースは鹿島達也。朝霧にて清水ひろたか&あらきゆうこのファンになってまいました(ちなみに清水ひろたかさんは元・シンドバッドの森詩津規さんに激似です)。ライブの最後に演奏したアルバム収録曲「無題4」の時、よっちゃんがギターを弾いてたんですが、正直似合ってないギターを感情的にかき鳴らす姿が『ソラニン』という漫画で芽衣子が組んだバンドってこんなイメージやな、と思いながら見てました。その姿がえらく印象に残る、ええライブでした。
続いては今回のNo.1お祭りバンドOZOMATLI。アホみたいにテンションの高いライブは気分がいい!陽気なラテンノリが最高のコイツらも凄かった。ステージ降りて客を煽るバンドは山ほどいますが、最終的にステージ降りて客席でもみくちゃにされながら演奏?するのはOZOMATLIか渋さ知らズくらいやろ。メンバーの一人は客に胴上げされてました。アホ過ぎる。
                  
                 写真は女の客にキスされてご満悦のボーカル。
朝霧もクライマックス。SOULIVEをBGMにテントを撤収して、夕暮れのレインボーステージには雨女UA。雨こそ降らなかったものの、雲が神秘的に渦巻き、いい雰囲気。
そんな中、UAの登場して第一声は、
「まいどーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
関西を代表するグレイトフル・コメディアン『ストリーク』をリスペクトする挨拶に、場内はともかく、僕のテンションは急上昇。初っ端の、オケを控えめにアカペラ気味で歌った「雲がちぎれる時」がたまらん。その後、ステキなアレンジの「情熱」やら「黄金の緑」、そして最後の「Moor」まで、神秘的な、まさに歌姫といった貫禄漂うライブでした。
その後、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDを余韻のBGMに、混雑を避けるためシャトルバスの方へ…。
家路につく。
待ちに待った、至福の2日間はあっという間に終了。
さすが朝霧。帰りは切ない朝霧。
朝霧に同行したみなさん、朝霧で出会ったみなさん、ありがとうございました。
富士山、モウ・ストラマー、See you next year!!
来年の朝霧の挨拶は「まいど!!」でキマリだ。

post: 2007年10月9日 ( BLOG )

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