日進月歩は諸刃の髭剃り

人類の文明は驚くほどの加速をつけて、物凄いスピードで進歩を遂げている。
僕が子供の頃、携帯電話なんて無かった。パソコンがある家もほとんどなかったし、ほとんどの人がインターネットという言葉の意味すら知らなかった。光る円形のディスクは映像を映すものじゃなくて音楽を聴くものだった。”カセットテープに録音”という言葉は”カセットテープ”の部分だけじゃなく”録音”という部分も、一般人には死語になりつつある。テレビは随分と薄型になってBSやCATV、デジタル放送とチャンネルも増えた。
人類がおよそ2000年という歳月をかけて作られた物が、ここ十数年で劇的な進化を遂げているのだ。
シェーバー(髭剃り)もそうだ。
僕は時々不思議に思う。昔の人はどうやって髭を剃ったのか。いわゆるT字の髭剃りやカミソリもなく、どうやって織田信長はチョビ髭を整えたのか。日本刀?脇差?髭剃りから命懸けじゃないか。じゃあ聖徳太子は?日本刀がある日本人はまだいい。西洋ならサーベルなのか。ナポレオンとかツルツルやぞ。疑問は尽きないが、なにしろ人類はシェーバーを生んだ。今では電動式のものもある。このシェーバーも加速度的に進化を遂げている。僕が子供の頃の記憶では、さかんに2枚刃というのが宣伝されていた。それが今、我が家にあるシェーバーは5枚刃である。
………?
刃の枚数増やしたらいいもんなの?じゃあなんで小刻みに2、3、4…と増やしたの?一気に適量まで増やせば?
ともかくたった20年そこらで、刃の数は倍以上に膨れ上がった。ほぼ同時期に数を重ね始めたと思われるドラクエとそんなに変わらない。2007年、刃は5枚、ドラクエは8だ。
そんな5枚刃はさすが最新技術、切れ味絶好調で、一昨日僕の鼻の下の溝の皮膚を鮮やかに傷付けた。予想外に深剃りされた皮膚は大量の出血をし、僕の鼻の下には、常にレーザーポインターで狙われている様に赤い点がついてしまった。
進化はいつも現在の問題を解決するが、新たな問題を生む。だから進化とかっぱえびせんは、やめられない止まらない。

post: 2007年11月16日 ( BLOG )

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