暑い熱い北海道

先日、人生初北海道を経験しました。
目的は『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007』。
フェス松哲平の名を名乗る僕としては、なんとしても行きたかったこのフェスティバル。無理して行きました。お金も移動も。
オランダ代表ベルカンプや、デビッド・ボウイの気持ちが手に取る様にわかるくらい飛行機が苦手な僕が選んだ交通手段は、夜行バスと電車。遠いぜ、北海道。
片道17時間。飛行機ならモントリオール、メキシコシティ、リスボン…というか南米やアフリカ以外ならどこでも行ける時間です。
そんな、金に糸目をつけて、時間に糸目をつけない道中を経て辿り着いたライジング。

まず感想は、トイレが少ねぇ!いや、数はともかく二日目の夜に何かしらのトラブルで大半のトイレが使用禁止になってたのに驚いた(最終的に全部)。フジ、朝霧、ロッキン、サマソニほか、どのフェスでも経験したことのない、日本のフェスじゃない様な環境でした。
そして深夜の寒さ。寒がりの僕からしたら完全な冬の格好で丁度。その寒さのせいでトイレが近くなる悪循環。
今回かなり楽しみだったフェスごはんは、まずカレーとラーメンの出店の多さに驚く。そんなにご当地ものが多い感じは無かったけど、さすがホタテのしょうゆバターと、こまい(魚)は絶品。全然人気無かったけど黄金豚のソーセージ(チーズ入り)はソーセージの常識を根底から覆す美味さでした。あとネパール料理のお店がやたら多かった理由を誰か教えて下さい。
そんなこんなでライブ。
ハナレグミはまたもやサプライズ。スチャダラパーを呼び込んで「今夜はブギーバック」やってました。ただアラバキで一回見た上に、現地で最初に見たライブだったんでそんなにテンションは上がらず。
井上陽水。生で聴ける歓びと超豪華セットリストに大興奮。妙にダンサブルなアレンジが、ロック・フェスに、若者に媚びてる感じがちょっと嫌だった「氷の世界」に続いて演奏した「最後のニュース」は目頭ビチョビチョもん。分厚い雲に覆われた曇り空の中で「傘がない」。フェス・マジック的には雨が降り始めるのかと思いきや、晴れた。
その後はクロマニヨンズの攻撃的なライブ、ソウルフラワーユニオンのすべらないライブ。
KEMURIの劇的なラスト・エゾをチラ見した後、稲川”夏男”淳二を見に行ったら、人が溢れててマトモに見れなかったのでテントに戻ってふて寝をする。
二日目。初日は移動の疲れもあり、会場内をあまり見てなかったので、早起きして散策。フジの「パレス・オブ・ワンダー」と同じ建物の「グリーンオアシス」、そして奥の「ムーンサーカス」、最奥の「ボヘミアンガーデン」、各ステージのユルユルのユルい雰囲気にテンションが上がる。
スガシカオに惹かれながらも、勝手にしやがれ。まさかのThe Poguesカバー「Fiesta」に心はウキウキ。
オルケスタ・デ・ラ・ルスの楽しげなライブを横目にボヘミアンへ向かいエマーソン北村。オーディエンスは100人くらい?みんな座るか寝っ転がるかのハードにユルいシチェーションが最高。中盤にゲストでLeyonaが登場。素敵なライブだった。しかし、それ以上にエマーソン北村が始まる前にBGMで流れてたトム・ウェイツのアルバム『Closing Time』が素晴らし過ぎた。晴れた空の下で、あの雰囲気で、然るべき音量で、寝っ転がって聴くトム・ウェイツ。ありゃあ幸せやど。
BEGIN。「恋しくて」「定価ブルース」「三線の花」、そして北海道で聴く「島人ぬ宝」。ものすごい穏やかで、ええ空気のライブ。本来ならベスト・アクト間違い無し。「涙そうそう」聴きたかったけど、永ちゃんの登場は見逃せない…。後ろ髪を引っこ抜かれる思いでメインステージへ。
1年ぶり、ROCK IN JAPANぶりの矢沢永吉先生。今回はハーレーは無しでしたが、火柱は高く上がってました。タオルの方も昨年よりまとまりがあり、良かったんではないでしょうか。先生は今年も「シャイコーーウ!」と言うてはりました。お客さんもシャイコウやったと思います。ライブが終わり、大きな花火が上空に咲き乱れてシャイコウに綺麗。
高校時代、実家の自分の部屋に2枚のポスターを貼ってた。1枚はTHE YELLOW MONKEY。そしてもう1枚が、’98年に惜しくも解散したイカ天出身のファンク・バンド、FLYING KIDS。その彼らが、一夜限りの再結成!!
北海道に来た最大の理由はコレっす。
浜崎貴司の声はやはり素晴らしかったし、音もCDより分厚くてカッコイイ。「幸せであるように」では、涙を流す人続出。カナリキテール、カンジテール!あっという間にライブは終了したけど、こりゃ活動再開もあるんじゃないかと思えるほど、ブランクを感じさせないグレイトなライブ、ありがとうございました。
容赦ない寒さに耐えて、髭(HiGE)、びっくりセッッション?(シアターブルックの面々とビークルのベースの人とか色々)などを見つつ、かなり良いライブだったらしいCoccoをトイレ問題で見逃す。

30分押しで始まったCoccoの影響で、本来曽我部恵一BANDが始まってるはずの朝4:55頃、日の出。ライジング・サン。辺りから歓声が上がる。Cocco終わりで急いで帰り支度の人、死んでんのか寝てんのかわからん人、疲れきってブッサイクな顔した人、トイレを求める人、その場にいる人間全員の顔を朝日が照らす。めちゃめちゃキレイや。
ステージでは大急ぎでサウンド・チェック。スタッフかと思ってたら、曽我部恵一BANDのメンバー自らがものの10分でセッティングをすまし、ステージ上で円陣を組んでライジング最後のライブがスタート。
30代半ばのおっさんとは思えない、高校生バンドのような泥臭くてまっすぐなライブ。第1回目のトリをサニーデイ・サービスとして務めたのは8年前。サニーデイ時代の「恋におちたら」「青春狂想曲」、そして「テレフォン・ラブ」の大合唱。曲間には毎回「曽我部恵一BANDです!」。そして最後に「サマー・ソルジャー」。よっしゃよっしゃ。
朝帰りってええね。夜終わるんじゃなく、朝終わる。宴として在るべき姿やと思います。この瞬間が味わえるのはライジング・サンならではやと思う。ただ、締めにかかる曲がなんでU2の「With or Without You」なん?どう考えてもビートルズの「Here Comes The Sun」やろ。そこは。Rock In Japanと交換してもらおうよ。もったいない。
かくかくしかじかです。
帰りは特急&新幹線で10時間。札幌から函館までの海沿いをひたすら走る函館本線の景色に大満足しながらの家路でした。次は朝霧か?行けるかのぅ。

post: 2007年8月27日 ( BLOG )

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